地震の時に役立ったもの (家具編)

熊本地震から7ヶ月


 今日は熊本地震発生から7ヶ月目になります。
 早かったような、まだ、というような7ヶ月でした。
 そして今日未明にニュージーランドでも大きな地震がありました。
 亡くなられた方につきましてはお悔やみ申し上げます。
 現地では余震が続いているとのことですので、不安な時間をお過ごしの事と思います。
 一刻も早い収束をお祈り致します。

 地震予知というのが完全には出来ない上にどこで地震が起きても不思議ではない日本では、いつでも誰かが地震の被害に遭うものだと思っていた方が良いのだと今回の経験で思いました。
 だって熊本なんて地震のリスクが低いと言われ続けていたのです。地震保険も下から数えた方がはやいくらいの安さで、さらに前述のような認識だったものですから地震保険に入っていない人も多かったと噂で聞きます。


 備えあれば憂い無し、といいます。
 私は決して備えが十分ではなかったのですが、それでも地震の発生直後からしばらくの間で役に立った、もしくは助けられたアイテムやノウハウを書いておこうと思います。




 家具の固定は大事


 私の当時の家は、賃貸の鉄筋マンションの上階に夫婦と子供一人で暮らしていました。
 熊本市内東部で最も被害が大きいとされる益城町にほど近い地域です。
 まあ揺れに揺れました。でも最初の予震の時は家具は一つしか倒れませんでした。食器棚などは引っ越したときに壁に固定していたので中の食器は飛び出しこそしましたが家具自体は倒れてきませんでした。

 壁に固定するタイプ


 家具の固定には壁に金具で固定するタイプを選んでいました。
 (大家から鴨居相当部分はネジ固定しても良いと確認済みの上)


 

 こんなタイプです。
 これのおかげで最初の予震では食器棚や本棚など重たい家具でさえ倒れずに済みました。
 ただ、倒れずに済みましたが金具が緩んだり外れたりはします。私はまさか2度目があるとは思っていなかったので締め直したりしなかったため、後に起きた2度目の本震で結局倒れてしまいました。
 この事から次のような感想を持ちました。

 1度目はかなりの確率で耐える。
 でも2度は無理だから出来るだけ早く確認をして
 予震に備えて締め直すこと。

 倒れると倒れないのでは被害の規模とその後の復旧に大きな差が出ます。
 倒れず中身が飛び出す程度なら、食器はいくつか割れてしまいますが本や物なら元の場所に戻せばいいのです。
 地震で1度倒れると揺さぶられながら歪な形で倒れるせいか棚自体にかなりのダメージを受けてしまいます。
 接合部が割れたり歪むのですね。起こしても斜めっている家具は予震で揺れる中ではちょっと怖くて使い物になりません。

 家具が壊れると物が片付かない


 家具が一つ使い物にならなくなると収納する場所を失い、片付けの効率が大きく下がります。
 それまで立体的に保存して物が平面で置かないといけなくなるからですね。
 また食器棚などはガラスを使う箇所が多いと思いますが、倒れるとかなりのガラスが割れて室内の危険度が一気に高まります。
 ガラスや陶器の破片って不思議なことに掃除をしてもどこからは出てくるのですよ。
 特に一歳から二歳あたりの子供は地面と近いところで生活をしており、珍しい物があると口に入れようとします。ガラスの小さな破片でも舐めたりしたらゾッとします。

 陶器やガラスの破片で足を怪我をするリスクが高まります。
 実際、私は足を切りました。災害時に足を怪我していると結構不便です。
 特に裸足で生活している人は被災した部屋によってはとっさに身動きが取れなくなる可能性があります。
 リスクが高いところではスリッパを常備するのをお勧めします。
 そのときはスリッパは寝かせるのでは無くて立てて保存しておきます。寝かせていると中に破片が入って結局使い物にならないからです。

倒れた家具


 先ほど「一つしか倒れなかった」と言いました。
 この家具は寝室に置いてた家具でした。
 子供が生まれてから買った比較的最近に設置した家具で転倒防止金具をつけていませんでした。
 この家具が倒れたのです。
 倒れた部屋には子供が寝ていました。
 
 最初の予震発生時、私達夫婦は子供を寝かしつけ寝室の隣にあるダイニングに居ました。
 発生直後、夫婦揃って飛んで子供のところに行き、その上に覆い被さりました。
 幸い、子供や親共々怪我はありませんでしたが、今になってもあの家具を固定してなかったことを悔やんでいます。
 家具の転倒は物のロス以上に人命に関わる事だと思います。

 突っ張りタイプ


 ちなみに突っ張り棒タイプの固定具もあります。
 壁に釘やネジを打ち込まずに出来る手軽な方法です。
 
 
 これはこれで効果があります。
 ただ大きな地震が2度起きた熊本地震の際は引っ越し業者や知人から「1度目の地震で緩んでしまって2度目では効かなかった」「予震の下から突き上げる揺れで天井を穿ってしまい、本震では踏ん張りが聞かなかった」という話を聞きました。
 「本震と思われる地震の後に、それより大きな地震が起きる可能性」というのがゼロではないため、こちらも地震の後はチェックが必要だと思います。

転倒防止は家具に付属


 大きな家具には転倒防止ベルトが良く付属されています。
 余計な付属品として捨てる人もいるかもしれませんが、つけることをお勧めします。

 また食器棚など扉付きの棚には地震時にロックがかかるタイプもあります。
 買い換えを検討されている方は、そういう機能もチェックされてみると良いと思います。

買い換え


 地震の後は多くの店が営業を停止します。
 家具屋などの大きな物を扱い、店内の空間も広い店舗は被害が受けやすい傾向にあったように思います。(現在も大型店舗や映画館などは営業がちゃんと出来ていないところが多いのです)
 ようやく営業が再開しても、同じような境遇の人は沢山居るため店舗へ殺到しますので家具一つ買うのにも大変です。
 そもそも壊れないようにする、というのは大事だと思います。

固定の方法


 家具の固定の方法は東京消防庁のページに解説があります。


 これらを参考にすると良いと思います。

まとめ 


 思ったより長くなりました。
 一回の記事では長くなりそうなので何回かに分けて書くことになりそうです。